抄録
本研究では、都市アメニティ要素の外部性を,ヘドニック・アプローチや空間計量経済学を用いて空間的に把握ものである。特に、その上で、アメニティ要素が外部にもたらす影響とその範囲を定量的に把握することで、都市計画におけるアメニティを有する施設の充足やその配置計画につながる基礎的な指針を提示するものである。本研究では、緻密かつ連続性をもつ空間データを扱うことから、空間的自己相関による影響が懸念される。そのため、通常の最小二乗法による計測の他、GWRモデル・SEMモデルの二つの空間的自己相関を考慮した方法を提示している。またそれぞれについて、適合度を検証し、外部性の影響範囲を算出するまでの流れを、京都の中心部を事例として検証している。結果としては、本調査で対象としたアメニティ要素の外部性の評価に関して空間的自己相関が認められるとともに、これらのモデルの有効性が確認された。