都市計画論文集
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コミュニティ・ゾーンの一定期間供用時における住民評価に関する研究
塚原 真理子藤田 素弘
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 42.3 巻 p. 679-684

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抄録

コミュニティ・ゾーン形成事業は、主に住居系地区を中心として、安全性・快適性・利便性の向上を目指して展開されてきた。その既存研究では、「事業前後」の評価について、交通事故や通過速度の実測により整備効果を検証した研究が多かったが、本研究では、「整備後一定期間供用後」の地区を分析対象として、道路満足度だけではなく、景観が改善し地区内の雰囲気が明るくなることによって治安が向上したなどの間接的な整備効果、そして整備デバイス等の維持管理に対する住民意識について分析している。これより、自宅前道路の満足度意識について、特にコミュニティ道路等の整備路線については、道路内の維持管理状況が満足度意識に大きく影響する要因であること、また維持管理に対する住民の参加意向については、コミュニティ道路等整備路線だけでなく、整備路線以外の人も参加しても良い意向があること、また、間接的な整備効果については、コミュニティ・ゾーンの整備が地区内の雰囲気の向上に貢献していると住民が認識していること、さらに維持管理への満足度やその参加意向の向上が、道路満足度だけではなく、間接的整備効果へも強く影響していることが明らかとなった。

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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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