抄録
本研究では,郊外型の大学キャンパスにおけるモビリティ・マネジメント(MM)のあり方について考えるにあたり,大規模交通需要発生源である大学を含めた職場でのMMを義務付けた海外事例として,ローマ市の職場MMと英国の職場トラベルプランの事例を紹介する.その上で,大学にて実施可能なMMの中でも,とりわけバスシステムの導入によってモビリティを確保しつつ自動車交通の抑制を図る大学バスの事例について,英国・米国の事例とわが国の先進的取り組みを収集するとともに、その都市の人口、人口密度、公共交通のサービスレベル、大学構成員数等の基本データを整理した.これらの事例分析と検討を踏まえ,大学でのバスシステムを前提としたMMのあり方について考察した.