都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
経済環境の不確実性下における商業と駐車場の立地転換に関する研究
齋藤 文典大庭 哲治中川 大
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2008 年 43.3 巻 p. 67-72

詳細
抄録

本研究は、中心商業地域における商業立地と駐車場の関係を、リアルオプション理論に基づき、将来の不確実性の影響を加味してモデル化した上で、都市において顕著な現象となっている商業と駐車場の立地転換のメカニズムを、数値シミュレーションにより分析した。その結果、来訪者の成長率が大きければ、空間制約が影響することと参入オプション価値が増大することにより、必ずしも商業立地が増加するわけではなく、むしろ駐車場が増加する可能性があることを明らかにした。また、経済環境の不確実性が大きければ、参入オプション価値の上昇による立地転換閾値の上昇と、不動産価値分布の標準偏差の増大が起こり、駐車場が増加しやすくなる可能性があることを明らかにした。

著者関連情報
© 2008 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top