2010 年 45.3 巻 p. 163-168
近年、個人の位置情報や行動履歴を元に趣味・趣向等を分析して、レコメンデーションを行うといった「人の流れ」の研究・活用が注目を浴びてきた。個人の移動の目的が先読みできれば、より効果的なレコメンデーションが可能であると考えられるが、精度の高い予測には、個人の属性情報が不可欠となる。しかし、個人情報保護の世論の高まりから、個人情報の取得は、容易なことではない。本稿では、パーソントリップ調査の時空間内挿データを使用し、トリップの移動の特徴と個人の属性属性からトリップ目的を判別する決定木分析を行った。個人の属性情報(性別、年齢、職業)を増やすことにより、決定木分析の判別精度が向上し、個人の属性情報について、変数の重要性を定量化できることができた。