2010 年 45.3 巻 p. 205-210
人口減少社会の到来と地方分権の進展を背景として、各都市固有の魅力を磨くことが重視されるようになる中、公共政策と結びついた都市デザインの推進が望まれている。都市デザインの推進にあたっては、各自治体の首長の都市空間や都市デザインに対する見識、知識が大きく問われる。ここに自治体首長に対する都市デザイン教育の重要性がある。本研究では、そうした都市デザイン教育の先進事例として、米国における都市デザイン市長協会の活動に着目し、その経緯と現状を包括的に明らかにすることを目的とする。都市デザイン市長協会の理念・方針、例えば双方向的な啓発や会場自体を洗練されたデザインの実践の場とする、更にそれを維持するための様々取り組みなどは、シンプルなセッションのフォーマットや確立されたパートナーシップ体制とともに、参考に値するものである。