都市計画論文集
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沖縄本島南部と八重山地域における戦争遺跡の実態と保存活用の課題
清水 肇高橋 弘治
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キーワード: 歴史的環境, 戦争遺跡, 沖縄
ジャーナル オープンアクセス

2010 年 45.3 巻 p. 223-228

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抄録

歴史的環境を構成するものとしての戦争遺跡の実態と保存活用の課題について、沖縄本島南部および八重山地域の実態調査を行い、存続の状況と市町村での保存活用の実態および課題についてまとめた。戦争遺跡特有の状況として、戦闘・戦災の具体的経緯のないものに放置されているものが多く、人が関わる戦闘・戦災に関わるものは戦後の人や社会の関わりの中で保存の意図が示されるものが目立つ。保存活用の課題としては、損壊されたものも含む戦争遺跡の維持と公開の矛盾の中で、どのようなバランスで保存し公開するのか、また、聖域や慰霊の場となったものを含め、特定の人や集団との関わりを有する戦争遺跡について、さまざまな状況や立場に繊細な配慮をはらいつつ保存活用の方向性に関わる合意点をつくりあげていくか、があげられる。

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© 2010 公益社団法人 日本都市計画学会
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