都市計画論文集
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卸商業団地における新たな店舗集積の特性と要因に関する研究
岡山市北区問屋町を事例として
竹内 幹太郎阿部 宏史橋本 成仁氏原 岳人
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 45.3 巻 p. 37-42

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抄録

卸売業の高度化を目指すための集団化事業として形成された卸商業団地は、卸売業の衰退から、団地内を卸売業以外の店舗へ解放するなど用途拡大、および転換を図る取り組みを行う必要性が高まっている。しかし、これまでに卸商業団地の衰退を課題に取り上げた研究はなく、取り組み実施のために有効な知見は得られていない。そこで本研究では、卸商業団地において、卸売業以外の新たな店舗集積が起こりうる可能性を検討する際に有用な知見を得ることを目的とした。具体的には、新たな店舗集積が起こっている岡山市北区問屋町を事例に、アンケート調査を実施し、新たな店舗集積に関する現状把握と要因分析を行った。その結果、問屋町は、“卸商業団地”から卸商業団地の特性を生かした“商業地”へと変化したことが明らかになった。そして、衰退過程にある卸商業団地では、再開発などの大規模なハード整備事業を行わなくても、立地特性に加え、卸商業団地の特性を他地区にはない特長として生かすことで、新たな店舗集積が起こりうる可能性が示された。

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© 2010 公益社団法人 日本都市計画学会
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