都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
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観光地における街路計画に関する居住者意識の研究
出雲大社・神門通りを対象として
吉城 秀治橋本 成仁森山 昌幸西村 成人
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2011 年 46 巻 3 号 p. 799-804

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抄録

観光地においては、地域住民の生活空間と観光客の交通が密接に関わってくることが多い。そのため、住民が地域振興のために「観光客の賑わい」を希求する一方で、そのための施策により「日常生活の利便性」が低下することは許容し難く感じることも多く、この両者のトレードオフから地域の合意形成が困難となる場合も多々見られる。観光地における地域住民の合意形成を得、「観光客による賑わい」と「日常生活の利便性」が折り合う道路を構築するためには、まず地域住民が観光地の道路のあり方、役割をどのように捉えているのかの検討が重要となってくる。本研究では、地域住民の意識に着目し、観光地における地域住民の道路に対する意識を検討した。出雲大社門前の参道である神門通り周辺の居住者への意識調査から、観光地の道路において重要視されている道路の機能・役割は観光地としての賑わいであることが明らかになった。また、それら意識は三つのタイプに分類され、意識の違いによって交通社会実験の評価やみちづくりに対する考え方に大きく影響を及ぼしてくるということが明らかになった。

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© 2011 公益社団法人 日本都市計画学会
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