都市計画論文集
高度地区指定による高さ制限の変遷に関する研究
大澤 昭彦
著者情報
ジャーナル フリー

47 巻 (2012) 3 号 p. 211-216

詳細
PDFをダウンロード (928K) 発行機関連絡先
抄録

本研究は、近年、住環境・景観保全・形成のツールとして活用されている高度地区制度による高さ制限に着目し、高度地区制度の法的な位置付けや指定目的・制限手法の変遷を分析することにより、高度地区が果たしてきた役割を明らかにすることを目的とする。本研究を通じ、1)当初、高度地区は高度利用と美観形成を目的とする高さの最低限度の制限として市街地建築物法に規定され、住環境や美観保全を目的とする最高限度の規定が追加される等の改正を経て現在の制度が確立したこと、2)戦前は駅前における高度利用を意図した最低限度の指定が多く、高度成長期以降に住環境・景観保全のための最高限度高度地区として普及していったこと、3)日照紛争が課題であった70年代は斜線制限型が中心で、景観保全・形成が特に求められた2000年以降は絶対高さ制限型が主流となる等、指定目的とともに制限手法も変遷してきたこと、4)70年代・90年代は都道府県主導による用途地域の見直しに併せた指定が主であったが、分権化が進んだ2000年代は各自治体が個別的な都市計画上の課題に対応するために導入しており、制限値の設定等も多様化していたこと等が明らかになった。

著者関連情報
© 2012 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top