都市計画論文集
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バンコク郊外における洪水パターンに地形改変を伴う市街地開発が与えた影響
2011年の大規模洪水を事例として
新屋 匡翔土屋 一彬原 祐二タイターク ダナイ
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2013 年 48 巻 3 号 p. 783-788

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抄録

本研究では,バンコク都郊外のノンタブリ県バンメナン地区を対象として,詳細なスケールでの洪水パターンと土地利用の関係性について、湛水深度および湛水期間の観点から明らかにすることを目的とした。バンメナン地区の主な土地利用である水田,果樹園,住宅の湛水深度を現地測量により取得した。また,タイ地理情報・宇宙技術開発機関が公表している湛水ポリゴンファイルを元に,湛水期間のマップを作成し,湛水深度と共に解析を行った。結果,人工的な地形改変を伴う市街地開発は土地利用ごとの標高の差を生み,それに依存する形で洪水時の湛水深度は土地利用の間で異なっていた。湛水期間には,東西方向,土地利用が影響していた。これは,湛水期間への広域的な洪水の移動パターン,土地利用配置,土地利用ごとの盛り土造成や人為的排水の影響を示唆していた。今後のバンコク郊外地域における洪水対策においては,計画的な盛り土造成を行い,周辺農地への影響などに考慮した市街地開発手法を検討すべきである。また,農業地域における市街地開発プロセスに関する詳細な実態解明に基づいた連担農地保全に実効性の高い規制手法の検討が求められるであろう。

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© 2013 公益社団法人 日本都市計画学会
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