都市計画論文集
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戦後日本における旧軍用地の学校への転用と文教市街地の形成について
陸軍師団司令部の置かれた地方13都市を事例として
今村 洋一
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2014 年 49 巻 1 号 p. 41-46

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抄録

本研究では、終戦直後の旧軍施設に対する全国の学校の使用希望状況から当時のニーズを整理した上で、名古屋を対象に、旧軍用地の学校への転用パターンについて具体的に明らかにするとともに、陸軍師団司令部の置かれた地方13都市での考察から、旧軍用地転用による文教市街地の形成について、全国的な実態を明らかにした。終戦直後は罹災学校の代替施設としての応急的な建物需要、1950年代以降は生徒増を受けた学校の新設・拡張のための土地需要が、転用背景にあったことが指摘できる。前者は一時使用のはずであったが、建て替えを経て継続使用となった事例がみられた。7都市で旧軍用地に形成された文教市街地が確認でき、城郭部での大規模大学キャンパス化(仙台、金沢)と市街地縁辺部での小中高大の集積の2タイプが見られた(名古屋、広島、熊本、弘前、京都)。

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© 2014 公益社団法人 日本都市計画学会
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