都市計画論文集
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鉄道路線網における最適なパルスタイムテーブルの探索
大庭 哲治中川 大松中 亮治原田 容輔松原 光也
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 49 巻 3 号 p. 423-428

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抄録

わが国の地方都市では,自動車利用の増加による公共交通の利便性の低下により,さらに公共交通の利便性が低下するという悪循環が生じている.このような悪循環を断ち切るためには,意図的に公共交通の利便性を向上し,積極的に利用を促進していく必要がある.公共交通の利便性を向上させる手段の一つとしてダイヤの改善がある.特に,路線網における最適なパルスタイムテーブルの構築は,有効な手段の一つとして考えられる.そこで本研究では,単線複線および種別数による鉄道路線における制約を考慮した上で探索時間の短縮を図った,パルスタイムテーブル探索システムを構築し,丹後中丹地域を中心とした鉄道路線網を対象として,総期待所要時間を指標として最適なパルスタイムテーブルを探索した.その結果,現在のダイヤから約13.3%の総期待所要時間を減少させ,利便性を向上させることができることを示した.また,各駅間において期待所要時間が増加しないような指標を用いてパルスタイムテーブルを探索することによって,地域全体の公共交通利便性を向上させることができることを示した.

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© 2014 公益社団法人 日本都市計画学会
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