2014 年 49 巻 3 号 p. 771-776
本研究は、英国の都市再生に着目し、民間活力推進のあり方を明らかにすることを目的とする。具体的には2000年の白書Towards an Urban Renaissanceに位置づけられた都市再生会社(URC)の存在する都市で、いかに再生事業が進んだか、そこでの民間との連携方法並びに民間投資の誘引方法を明らかにするものである。分析を通して、英国内でリバプールの衰退度が高いものの、URCを中心とした都市再生事業により大きな変化が見られた。成功は、(1)公共投資をシティセンターに集約化させ、(2)民間投資を誘発させること、(3)そのための連携体制が構築されていること、(4)公共側の補助金とURCの計画、並びにEUの文化首都プログラムを同じ年限にセットさせることで、都市再生事業の目標年限を決定していることが成功の秘訣となっている。研究を通して、今後日本でも、都市再生エリアの設定、連携体制の構築、目標年次設定の必要性が大事と結論づけることができた。