都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
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ワークショップにおける相互補完的対話の分析
長曽我部 まどか榊原 弘之
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 50 巻 1 号 p. 28-36

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抄録

本論文では、ファシリテーションの支援技術の開発を目的とし、ワークショップ(WS)討議の分析を行った。WS討議において相互補完的に話題が形成される点に着目し、参加者の対話の相互補完的特性を考慮した、討議の分析手法の開発を行った。発言者の異なる複数の発言から話題を抽出し、討議の構造を把握することを試みた。複数の発言から話題を抽出するため、新たな分析単位として「会話単位」を定義した。会話単位内の名詞語句の頻度に着目し、WS討議の時系列と名詞語句の出現頻度の関係を因子分析より明らかにした。複数の発言で構成された話題が抽出され、討議で継続した話題や突出した話題が明らかになった。本論文の手法は、KJ法を用いた意見整理を補完する役割を果たす可能性があり、ファシリテーターが、参加者に共有された話題を把握したり、討議内容を振り返ったりする際に有効である。

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© 2015 公益社団法人 日本都市計画学会
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