抄録
本研究は、文献調査や地方自治体政策担当者へのインタビュー調査により「レジリエントシティ」の概念を整理した上で、これを評価するためのレジリエンス指標について明らかにしている。本研究では、「レジリエントシティ」を気候変動や自然災害といったマルチプルなリスクに対応しうる能力を持つ都市と規定した。また、自治体がどのような外力、脆弱性をもち、回避すべき想定事態(エンドポイントとシナリオ)に対してどのような施策(予防策、順応策、転換策)を準備しているのか(行政指標)、どのような潜在能力を持っているのかを定量的に(都市指標)、定性的に(市民指標)評価する政策モデルの枠組みを構築した。このうち行政指標の計測のため、全国の自治体を対象として質問紙調査を実施した結果では、i) 多くの自治体が危機と想定している事象は、地震、人口減少や温室効果ガス排出増大などであること、ii)実施・準備しているレジリエント施策は、予防策としての再生可能エネルギーの推進や順応策としての被害に係る情報収集・提供方法の拡充であることなどが示された。