2015 年 50 巻 2 号 p. 162-169
近年,我が国における平均寿命は延伸を続けており,高齢期間の長期化がもたらされている.そのため,ゆとりのある余生を幸福な期間として過ごせるようにする重要性は高まっている.高齢者の幸福のためには,買物や通院といった「必須活動」と,趣味やスポーツといった「余暇活動」を充実させることが重要であると考えられる.また,様々な活動を実施するために,移動がしやすい環境であることも重要となると考えられる.本研究では,主観的幸福感尺度を用いることで高齢者の主観的幸福感を測定し,主観的幸福感に関する要因分析などを通して,必須活動や余暇活動及び移動のしやすさが高齢者の主観的幸福感にどのように関わっているのかを明らかにした.