本研究では、城下町都市を対象として、堀の再生の現状を分析した上で、堀の再生手法・方法を明らかにすることを目的とする。明らかとなったのは、第1に、全体の1/4の都市で堀の再生が行われており、堀を再生することにより、城下町の風情が増し、市民の憩いの場となること、第2に、内側に城郭のある堀で復原や復元の再生が行われている事例が多いこと、第3に、段階的整備(平面的)・段階的整備(断面的)・他の遺構と一体的に再生・公共施設整備と連動して再生・堀の連続性を確保・既存の堀とは別に堀を再生・堀跡の線形表示という7つの再生方法があること、である。