都市計画論文集
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地方自治体による緑地保全活動への市民参加促進に関する研究
地方自治体の取り組みと市民ニーズの比較
高瀬 唯古谷 勝則
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 51 巻 3 号 p. 1016-1023

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抄録

生物の生息環境の基盤となったり,人間にとって快適な都市空間の基盤となる緑地を保全し,その質を高めることは社会的に重要なことである。本研究の目的は,「地方自治体による緑地保全活動に関する市民参加促進の取り組みと市民ニーズとの間にギャップが存在する」という仮説を検証しながら,地方自治体による緑地保全活動に関する市民参加促進の取り組みの現状と課題を明らかにすることである。緑の基本計画を策定している日本全国の地方自治体を対象に,郵送調査を行った。433の市区町村から回答を得た。調査の結果,活動団体および保全活動に関心を持つ市民に対する施策は充実しているものの,保全活動への関心がない市民に対する施策は非常に少なかった。施策のうち,活動費用や活動意義に関する施策が多くの自治体で実施されていた。一方,「活動場所が遠い,交通の便が悪そう」と多くの市民が意識しているにも関わらず,その課題に対する施策を行っている自治体は少なかった。

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© 2016 公益社団法人 日本都市計画学会
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