都市計画論文集
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エリアマネジメントが地価にもたらす影響のメカニズムの分析
平山 一樹御手洗 潤
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 51 巻 3 号 p. 474-480

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抄録

本研究は, エリアマネジメントが商業地の地価に正の影響をもたらすという先行研究の結果を前提に,全国の自治体からのアンケートデータ及び地価データを用い,エリアマネジメントが地価にもたらす影響のメカニズムについて明らかにすることを目的とする.検討にあたり,第一にエリアマネジメントがもたらす効果のうち,どの効果が特に地価に正の影響を与えるかについて,ヘドニック・アプローチを用いた検討を行った.その結果,まちなみや景観への効果,および消費・売上・雇用等経済への効果の改善が特に地価に正の影響を与えることが確認された.第二に,上述の効果に対して特に有効なエリアマネジメント活動について,マン‐ホイットニーのU検定を用いた検討を行った.その結果,まちなみや景観への効果に対しては,「まちづくりに関するルール・協定」,「緑化・美化・清掃・駐輪対策」,「指定管理以外の公共空間の整備・管理」が,消費・売上・雇用等への効果に対しては,「イベント・アクティビティ」,「指定管理」,「民間施設の公的利活用」が特に有効な活動であるとの結果が得られた.最後に,事例分析によりこれらの結果が現実的であることを示した.

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© 2016 公益社団法人 日本都市計画学会
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