都市計画論文集
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歴史的町並み景観における住宅の表構えの実態分析
島根県松江市美保関の縁側・前土間に着目して
藤居 由香増井 正哉安高 尚毅
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キーワード: 表構え, 縁側, 町並み景観
ジャーナル オープンアクセス

2016 年 51 巻 3 号 p. 642-648

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抄録

住宅の表構えの実態について明らかにするために,歴史的町並み景観として明治時代の建築物が1/3を占める松江市美保関の縁側と前土間に着目した。この地域では通りが重要であり,通りに面する住宅の表構えとして玄関と通り側第一室について調査を行った。通り側第一室は,縁側・前土間・居室のいずれかに分類でき,居室は窓形態により,居室+掃き出し窓,居室+出窓・腰高窓に分けた。縁側は全体の3割にあり,外観が似ている掃き出し窓付きの座敷を合わせると町並みの半数を占める。前土間は旅館に多くみられ,出窓・腰高窓付きの居室は,昭和21年以降が多い。住宅改修で玄関が海側に設けられた事例や,縁側が無くなる事例がみられる。縁側は美保関の住宅の表構えで伝統的な構成であり,今回の研究から,それが居室+掃き出し窓に継承されていることがわかった。今後の美保関の歴史的町並み景観では,住宅の建て替えまたは改修の際に表構えとして通り側第一室に縁側の設置または継承,あるいは居室+掃き出し窓を選択することが有効だと考えられる。

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© 2016 公益社団法人 日本都市計画学会
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