都市計画論文集
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気候変動適応に向けたインフラ計画の展開プロセスと実行支援に関する研究
デンマーク王国コペンハーゲン市のクラウドバーストプランを事例として
中島 直弥星野 裕司
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 52 巻 3 号 p. 1185-1190

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抄録

世界の都市が、地球温暖化に伴う気候変動により洪水のリスクに曝されている。そうして近年、欧米を中心にグリーンインフラと呼ばれる整備手法を用いて、気候変動に適応しようとする取り組みが増加している。デンマークの首都コペンハーゲンの気候変動適応に向けたクラウドバーストプランは、アメリカ造園学会賞やC40の賞を受賞するなど現在進行系で評価が高い。本研究では、行政資料調査とコペンハーゲン市担当者、建設コンサルRamboll担当者にヒアリングを実施し、クラウドバーストプランの展開プロセスと計画支援に関する考察を行い、気候変動適応策を推進していくにあたっての戦略性を明らかにすることを目的とした。その結果、クラウドバーストプランの戦略性は、時間軸を意識した段階的整備のみならず、実効性を高めるための後方支援が行われたという点であることが明らかとなった。後方支援とは、横断的な組織体制や新たな経済手法を法改正によって確立したこと。計画を記述するタイポロジーは、都市スケールで計画立案する簡便さを確保している。我が国においても都市スケールでの適応策の議論に加えて、法改正等の議論を戦略的に展開することが考えられる。

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© 2017 公益社団法人 日本都市計画学会
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