都市計画論文集
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パチンコ店の立地規制に関する条例の策定状況と規制内容
京阪神都市圏の自治体を中心として
沢畑 敏洋松井 大輔
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2017 年 52 巻 3 号 p. 1199-1205

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抄録

全国各地でパチンコ店の建設に対して反対運動が起きている。パチンコ店に関しては、各自治体が自主条例などを策定し、立地を規制することができるが、その全国的実態は明らかではない。そこで本研究では、パチンコ店の立地規制に関して、全国における自主条例等の策定状況と委任条例の規制内容、京阪神都市圏における自主条例等の規制内容について明らかにし、自主条例と委任条例の規制対象と規制値の差異を明らかにすることを目的とする。結論は以下の通りである。(1)自主条例の策定状況は、全国では6箇所であったが、京阪神都市圏では29箇所になっており、奈良・大阪・兵庫の3府県に集中している。(2)委任条例では自治体ごとの規制内容が類似している。(3)自主条例等では、商工業系用途地域が規制対象に加えられている。(4)景観や都市イメージの保護を目的に、文化財や駅関連施設などから一定の範囲内が規制対象に追加され、特定施設の種類が多くなっている。(5)特定施設からの規制範囲が20-500mの間で設定され、規制範囲の種類も多い。同じ施設に対する規制範囲は、委任条例より自主条例等の方が広く設定される場合もある。

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© 2017 公益社団法人 日本都市計画学会
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