2017 年 52 巻 3 号 p. 301-308
本研究は世代交代が進展する地区(町丁)の空間・立地特性を、GBI(世代間バランス指標)を用いて明らかにすることを目的としている。研究対象は東京50km圏とし、東京50km圏及び都県(東京、茨城、埼玉、千葉、神奈川)単位での分析を行った。判別分析の結果、東京50km圏においては、戸建率、自営業率、人口密度、最寄り駅までの距離が特徴的であることが明らかになった。4つの指標において、カイ二乗検定・残差分析を行い、世代交代する地区に特徴的な変数の値域を明らかにした。都道府県ごとの分析では、戸建て率のみが5都県に共通している変数であり、各都県で特徴的な変数は異なっていた。とくに、東京、茨城、埼玉・千葉・神奈川はそれぞれ異なった特徴を持ち、特徴的な変数は、地区特性が大きいことが明らかになった。東京50km圏で世代交代が進展する地区の特徴については、世代交代を促進する閾値をX二乗検定と残差分析によってを明らかにした。