2017 年 52 巻 3 号 p. 487-493
東日本大震災以降、我が国では、非常時の都市機能維持の観点から自立・分散型エネルギーシステムの構築が求められている。特に蓄電池を用いた自立・分散型エネルギーシステムの構築は、非常時に需要側の対応力が高められることから、計画的に推進すべきとされている。蓄電池は、再生可能エネルギー等の他の分散型電源と比べて都市への面的な導入拡大の優位性があるとされているものの、その方向性は明らかではない。そこで本研究は、非常時の電力需要を考慮した蓄電池の面的整備のあり方を明らかにすることを目的とする。具体的には、川崎市を対象に系統電力停止時での対策が望まれる地域において、その特性に応じた蓄電池の導入量、導入地を費用対効果の観点から明らかにするものである。