2017 年 52 巻 3 号 p. 711-716
市街地の類型化は,各類型に対応する課題とその解決方策を整理・解明することを可能とする.道路特性は,交通処理能力,災害における危険性,日常生活環境と関連するが,データの入手の困難などの理由であまり考慮されなかった.本研究では,建物指標に加え,階層性を考慮した道路指標による詳細な市街地分類の可能性及びその分類の有用性を示すことを目的とする.建物と道路指標により,東京区部はそれぞれ5と9つに分類され,類型間の指標の平均の差を見ると,建物指標の中では建ぺい率と棟数密度,道路指標の中では階層を区分した道路延長・交差点密度,延長当たりの交差点個数が大きく,各類型の特徴がづけられる指標であることが分かった.2つの類型のクロス集計の結果,39種類に分類され,建物特性同じであっても道路特性は異なり,交通処理や災害における危険性の評価に有用性があることを示した.例えば,小規模建物密地域の中でも,狭幅員の道路密度に高い地域の抽出ができ,整備の優先順位や方式の決定の基礎となる.また,土地利用パターンと道路指標にも関係があることを示し,道路類型により交通需要の密度や発生パターン把握が可能であると考えられる.