都市計画論文集
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郊外地域において経済的に借り上げ社宅活用が進む可能性のある既存戸建て住宅数の推計
高砂市を事例として
五十石 俊祐大橋 響矢本 良
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 54 巻 3 号 p. 253-260

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抄録

全国的に空き家が増加する一方でDID地区の面積は拡大している。地方自治体の財政効率は人口密度と負の相関関係にあることを考慮すると、空き家の再活用促進策を検討する意義は大きいと考えられる。そこで本研究は、高砂市を対象に戸建て空き家の社宅活用に着目し、企業が高経年既存戸建て住宅を社宅として借り上げた際の経済的メリットと経費を推計した。分析の結果、経済的な補助施策を用意しない場合、社宅として借り上げることが経済的なストックは2戸と推計された。このことから経済的支援施策がなければ、戸建て空き家の社宅活用促進は難しいと考えられる。そこで、社宅活用による財政効果の期待値の75%を企業に対して補助した場合を想定したところ、社宅として借り上げることが経済的なストック数が近隣市から通勤するファミリー借家世帯数を上回ると把握できた。このことから、支援施策次第ではあるが、郊外自治体において空き家の借り上げ社宅活用が進む可能性はあると考えられる。

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