都市計画論文集
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都市における歴史的環境保全制度の自治体運用に関する日本・韓国・台湾の国際比較研究
藤岡 麻理子中西 正彦鈴木 伸治
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2019 年 54 巻 3 号 p. 998-1005

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抄録

持続的で魅力ある都市づくりのためには、地域固有の歴史と文化を重んじた環境形成が重要である。しかし、都市の歴史的環境保全は、歴史文化資源の保護と土地・空間利用の調整等、多くの問題を抱えている。そこで、都市における歴史的環境保全制度と運用の多様な姿を明らかにし、望ましい制度と運用のあり方を考察することを目的に本研究を行った。特に、文化財と周辺環境の一体的保全、都市計画制度を活用した歴史的環境保全、都市政策に基づく自治体独自の取組みの3点を取り上げ、日本、韓国、台湾の状況の比較考察を行った。その結果、1)文化財と周辺環境の一体的保全については、国が指針を示し、自治体が地域の状況を勘案した措置を講じている、その中では文化財行政と都市計画行政の連携体制が設けられている、2)都市計画制度を用いた地区の詳細コントロールを行う上では上位の都市計画や都市政策への歴史文化資源の位置づけが重要である、3)自治体によっては未指定文化財への支援を含む歴史・文化に基づく広域的な保全・地域振興等、国の法律下での実施が困難な措置を講じている等の状況が明らかになった。

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