都市計画論文集
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食料品の買い物環境に対する多様な主観的評価が購買行動や食品摂取に及ぼす影響
東京都心縁辺部の高経年住宅団地を対象としたアンケート調査に基づいて
関口 達也樋野 公宏
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 55 巻 3 号 p. 1013-1020

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抄録

本研究の目的は,以下の2つの研究課題(RQs)について検証し,その結果から,食料品の買い物弱者問題の解決に向けた支援策や都市整備の在り方を提示する事である.RQ1) 買い物における食料品の入手の不自由の有無は,利用店舗に対するいかなる主観的評価により説明できるのか?,RQ2 買い物において食料品の入手に不自由を感じる環境下にある事は,個人の購買行動,食品摂取にいかなる悪影響を及ぼすのか?主な結果として,まず,人々が買い物環境に対して不自由を感じる要因には,距離・交通利便性のみならず,安全性(重視される場合)や商品の品質の評価も含まれる事が示された.しかし,食料品の入手が不自由であると感じる買い物環境下にいる事が,ただちに食品摂取へ悪影響を及ぼすわけではなく,徒歩や公共交通で買い物を行う人々が不自由を感じている場合に買い物頻度の低下をもたらし,十分な量・多様な食料品の入手・摂取を妨げるという間接的な影響が示唆された.本稿の結果は,食料品の買い物弱者問題を論じるうえで,多様な観点から人々の買い物環境を考慮し,食事への影響まで見た評価に基づいた対策立案の重要性を示すものと言える.

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© 日本都市計画学会
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