都市計画論文集
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津波避難データの2つの回答バイアスに着目した動的活動経路選択モデルの推定手法
飯塚 卓哉羽藤 英二
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 55 巻 3 号 p. 682-689

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抄録

防災計画において,避難行動を正確に予測する手法が必要とされている.本研究では災害が発生してから避難を完了するまでの一連の動的意思決定をモデリングする.避難行動データはパラメータ推定において課題となる点が2つある.1つ目は過去の災害での行動データは犠牲者の回答を含まない点,2つ目は仮想の災害を想定した避難行動調査データは正常性バイアスを含む点である.本研究では,活動経路選択モデルを用いて避難行動をモデル化し,避難データに含まれるバイアスを除去してパラメータ推定を行う手法を提案する.この手法により,避難開始地点や避難経路上の中継地での避難以外の活動による滞在時間,および避難遅れを合理的に評価可能となる.本手法の有効性は数値実験とケーススタディにより示された.

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