都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
福井県X団地における居住実態と不在地主の土地利用実態
非集約エリアの遠郊外住宅地における居住の持続可能性と未利用地の管理・活用に関する研究
原田 陽子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2021 年 56 巻 1 号 p. 122-130

詳細
抄録

本研究を通して主に以下の点が明らかになった。1)X団地では、未利用地が74%であり、その内の約76%が雑草や樹木が繁茂している。2)居住者の多くは雑草等が生い茂った空き地が多いことや車がないと移動しにくいことに困っている。3)不在地主の多くは高齢者で県外の人も多く、所有地への訪問頻度の少ない人も多い。不在地主の土地入手の動機では、資産として購入などが多く、今すぐにでも売却したいと思っているが売れないため所有地を持ち続けている人が多い。4)X市は土地の寄付を受け入れてきたが、維持管理費がかかるため事実上X団地の土地は対象外となり、集約化も頓挫した。5)雑草等管理事業に対して、不在地主に一定のニーズがあることが明らかになったが、一方で無関心な不在地主や連絡先の分からない不在地主も多い。

著者関連情報
© (c) 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top