2021 年 56 巻 2 号 p. 334-346
立地適性化計画は都市の集約化を目指すために、都市計画区域内の一部に居住誘導区域、都市機能誘導区域を定め、都市の集約化を目指す計画で、同計画の主眼は誘導区域内にあり、誘導区域外地域については集約の対象外である。しかし同計画の策定に当たっては、誘導区域外の住民からの懸念は数多く報告されている。本研究はこの背景から、関連計画や方針の概容を明示することが合意形成の円滑化に寄与しうると考え、計画書内に記されている誘導区域外の方針に関する調査を行ったものである。この結果、全体としては誘導区域外の方針を記述する自治体は多くないが、交通分野の方針は記述されることが多く、地域拠点を誘導区域外に設定する場合は交通以外の分野でも方針が記述されやすいこと等が明らかになった。また、交通分野以外での誘導区域外地域の方針が希薄である課題も指摘している。