2023 年 58 巻 3 号 p. 501-507
不動産価格の分析において、中心エリアへのアクセス性は基礎的な要素であり、東京では鉄道が最も重要な公共交通機関となっている。このため、多くの研究者が中心駅までの距離をヘドニック回帰分析のコントロール変数として採用している。しかし、どの駅が適切な中心駅であるかは自明ではない。そこでこの問題を解消するために、距離と価格の関係の非線形性を捉えた、よりよい中心駅を選ぶためのアプローチを提案する。提案手法を用いたデータ分析の結果、東京23区の居住用土地市場の単価を回帰する場合には、渋谷駅を中心駅とすることが示唆された。