都市計画論文集
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大規模人流データを活用した駅徒歩圏の広がりと分布の計測
長谷川 大輔嚴 先鏞
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2024 年 59 巻 3 号 p. 1217-1223

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抄録

近年、ウォーカブルな都市の推進や不動産価格の適正化を背景に、駅の徒歩圏域の実測が重要視されている。本研究では、広範囲かつ詳細な位置情報を提供する人流データを活用し、鉄道駅を基点とした徒歩移動軌跡や距離を測定し、駅からの徒歩圏域がどの程度広がっているかを出口の方向別に可視化した。その結果、駅間だけでなく,出口の方向によっても徒歩圏域の広がり,駅前への集積に差があることが明らかになった。また、徒歩圏域の広がりが、地域内の人口密度や商業施設の分布、駅前の集積度と関係があることを確認した。人口や商業施設の密度は徒歩圏域を量的に拡大させ、特に商業施設が集中する地域では駅への来訪者が増え、徒歩圏域の広がりに寄与していることが示された。

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© 2024 公益社団法人 日本都市計画学会
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