都市計画論文集
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ウォーカブルなまちづくり推進時における目標及び目的設定のあり方に関する研究
「ウォーカブル推進都市」におけるアンケート調査を対象として
金 銀英野原 卓黒川 春香
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2024 年 59 巻 3 号 p. 1012-1019

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抄録

本研究は、日本のウォーカブルなまちづくりにおける目標とその方向性、取り組みの課題と期待を明らかにすることを目的にする。そのために、これまでのウォーカブルなまちづくりに関わる施策、指標及び概念を整理して12の目標を設定した。それに基づき、「ウォーカブル推進都市」を対象に、目標設定の現状と認識に関するアンケートと実施した。アンケートの結果、都市空間の活力向上、回遊性の向上、快適性の向上が全国的に重視されており、地方小都市では歩行環境整備を優先にし、大都市では賑わいや交流の創出を目標とする傾向が確認された。高齢化が進んだ都市では、健康まちづくりに対する関心が高い一方でユニバーサルデザインに対する意識は低く、適切な目標設定と実行手段を重ね合わせてゆく必要性があると考えられた。また、ウォーカブル施策から地域活性化や生活の質の向上が期待されている一方、事業関係者や管理者との連携の難しさ、人材や予算の不足が課題となっており、財政的及び制度的支援が求められていることがわかった。

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© 2024 公益社団法人 日本都市計画学会
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