都市計画論文集
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立地適正化計画における独自の居住区域の役割に関する研究
札幌市、弘前市、金沢市、岐阜市、東近江市、枚方市を対象として
吉田 隼斗岡井 有佳酒本 恭聖
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2025 年 60 巻 2 号 p. 179-188

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抄録

立地適正化計画においては、居住誘導区域の外側においても地域特性等を考慮して、法定外の「独自の居住区域」を設定することで立適計画の実践的な運用に繋がると考えられる。本研究では、独自の居住区域を設定している札幌市、弘前市、金沢市、岐阜市、東近江市、枚方市の6都市に着目する。独自の居住区域は、地区に応じたきめ細やかな土地利用の方針を定める取組であり、限定的な居住誘導区域の設定や、細かく分類された区域での誘導施策の展開といった関連性が見られ、その運用には都市の実情に応じた特色があることが明らかとなった。行政としては、居住誘導区域外住民へ配慮することでスムーズな合意形成と住民理解の促進を目的としている。また、独自の居住区域は居住誘導区域への人口集約を妨げる要因ではなく、居住誘導区域への人口集約・維持と独自の居住区域内のあるべき土地利用を誘導し、都市全体の最適化を促進する可能性が示唆された。

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© 公益社団法人 日本都市計画学会
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