2025 年 60 巻 3 号 p. 1782-1789
終戦から80年が経過する中、戦後商業集積地においては往時の隆盛による複雑な形成過程の丁寧な読み解きと連続的な市街地更新が望まれる。本研究では戦後産業集積地であるJR岐阜駅前繊維問屋街において、とりわけ現在の公道・私道・通路といった通行空間の形態的な不整に着目する。主に戦災復興土地区画整理事業資料や旧土地台帳、住宅地図や問屋名簿といった各種地図資料を用い、通行空間の形成の経緯を細かに読み取った。これにより一絡げに非計画とみなされかねない民間建設による通行空間の段階的な形成について、問屋町ごとの計画性の階調として明らかにし、また現在の通行空間の不整がいかなる計画性を現しているかを明らかにした。その上で考察として、現在進行する当地での再開発事業への評価と提案を行なった。