土木史研究
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幕末・明治期における茅沼炭山の石炭輸送について
篠田 哲昭中尾 務早川 寛志
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キーワード: 維新, 石炭, 運輸
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1991 年 11 巻 p. 183-190

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抄録

人類が「火」を手にして以来、薪・石炭・石油・原子力とエネルギーを求め続けてきた。
なかでも石炭は18世紀半ばイギリスに始まった産業革命の原動力であり、その波及効果が鎖国状態であったわが国に開国を迫る大きな力となってきた。
当時の石炭は、箱館の国内向けには僅かにオランダから贈られた軍艦の燃料等として需要があった程度であるが、修好通商条約によって箱館港に入港する諸外国の黒船にとっては欠かすことのできない燃料であった。
幕末の北海道における石炭山は釧路場所の白糠炭山、岩内場所の茅沼炭山が主な産地であった。先進諸外国を見聞した榎本武揚が炭山の必要条件に, 「一に運輸、二に品位、三に分量」と説いたが、本報告は茅沼炭山の「運輸」について史料を整理し取りまとめたものである。

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