土木史研究
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特異な構造の鋼下路アーチ橋
海幸橋について
掘井 滋則小西 純一
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1999 年 19 巻 p. 221-226

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抄録

海幸 (かいこう) 橋は、1927年 (昭和2) に東京市により旧築地川東支川の隅田川合流部付近に架設された、支間26.2m, 幅員15.1mの鋼下路アーチ形式の橋梁である。
従来よりこの橋の構造形式は、ソリッドリブタイドアーチであると分類されてきたようであるが、アーチリブは細く軽快で、タイ材に相当する桁の方が高くかなり剛性の大きな構造となっており、プロポーション的にはいわゆるランガー桁のようである。
しかし、アーチリブが立ち上がって路面上に出たところにヒンジが設けてあること、また、アーチリブが円弧を描いていることなど、普通のランガー桁とは異なった構造を呈している。
我が国における下路アーチ橋の初期の段階に出現した、このように他に例を見ない構造の橋とその仲間について紹介するとともに、橋梁発達史における位置付けについて考察を述べる。

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