1997 年 14 巻 p. 757-763
本研究は国内航空旅客市場をキャリヤー (航空会社、鉄道会社) を先手、利用者を後手としたシュタッケルベルグ均衡問題として定式化した。航空会社は利潤最大化を目的とし、その戦略はサービス路線とその機材投下数である。利用者は1991年時点での再現性検討から総旅行時間最小化を目的とするとした。次に、KIX開港以降の国内航空ネットワークを最適化した場合の旅客流動への影響把握を行った。その結果、hub&spoke型ネットワークの形成により航空会社の利潤は著しく改善され、逆に利用者の平均旅行時間は増大し、航空路線利用機会は減少することが認められた。さらに大阪国際空港廃止の効果は余り期待できない結果を得た。