2000 年 17 巻 p. 113-118
本研究では環境創造のひとつである人工なぎさ造成に着目し, その整備に対する市民の価値評価をコンジョイント分析により把握した。その結果, 市民はレクリエーション重視の空間よりは生物生息環境を重視した整備を望んでおり, 1000円の税負担によるレクリエーション優先の造成政策よりも、5000円の税負担をしてでも生物生息環境を基盤とした造成政策を求めていることが明らかになった。これより, 今後, 都市沿岸域で人工なぎさの造成を進めていく際には, ある程度の費用負担を前提として生物生息環境を基盤とした整備に重点を置くことが望まれるといえよう。