噴火時において, やむなく避難生活を続ける住民の心理においては, 生活再建に関する不安意識や心身の疲労などの要因により帰宅したいという意識が強くなり, その一方で, 噴火災害に対する危機意識や避難の必要性に対する意識は低下していくものと考えられる. 本研究では, 過去の噴火災害を事例とした住民の心理変化, 噴火想定時における避難や帰宅などの行動意向の特性を把握することを目的とした. 分析の結果, 噴火災害に対する楽観的な認識や生活復興に対する不安意識などは, 避難の躊躇や早い段階での帰宅意向を示す要因となること等が明らかとなった.