2001 年 18 巻 p. 395-402
建設産業では, 需要情報の非共有状態やリードタイムの存在が主な原因で起こるブルウィップ効果の影響によりサプライチェーンの所々で過大な在庫が生じている一方で, SCMは進んでいない. よって, 建設産業でのSCMによる在庫削減の定量的評価を目的とし, 在庫理論にブルウイップ効果の理論を組み込むことで, ゼネコン主導型のサプライチェーンにおける在庫管理モデルを構築した. シミュレーションではSCM導入により在庫量を現状の30%以上削減できることを示し, 建設産業におけるSCMの有用性を示すことができた.