2002 年 19 巻 p. 237-244
消防に付随して実施されるようになった救急搬送サービスは市民に浸透するとともに、その需要は急速に増加してきている。特に、二次救急医療体制では対応が困難な一刻を争う重篤救急患者を扱う三次救急が、年々増加する傾向にある。さらに、三次救急については指定医療機関が少ないために、地域によって救急搬送サービス水準の偏りが大きいと考えられる。
本研究では以上を踏まえ、三次救急搬送業務の現状を分析し、救急車両の走行時間信頼性の算出による救急搬送サービス力の評価法を提案する。具体的には、金沢市の8つの救急拠点の三次救急搬送サービス力の相対評価を行い、金沢市における三次救急搬送サービス水準の評価を行う。