2002 年 19 巻 p. 321-330
ウォーターフロント開発の魅力には、海の景観 (海景) の一望性がある。その魅力は、海とそれを眺める人の間に建築物が介在することでさまざま生み出される。そこで本研究ではウォーターフロントにおける建築物の景観的役割を明らかにするため、「江戸名所図会」を分析資料として、人と建築物と海との3要素の関わり方から抽出した6つの「海景観賞の型」について、その空間構成がどのような視覚構造によって成り立っているかを捉えることで、「海景観賞の型」を成立させる要件を明らかにした。