抄録
本論文では, 学習指導要領の基本理念に立ち返り, また, 教育心理学の基礎的知見を踏まえながら, 公共的問題を学校教育, とりわけ, 総合的な学習の時間で取り扱うことの是非について, 一考察を加えた. そして, 環境やまちづくり, 公共事業といった公共的問題は学習指導要領に記載されている「自然」や「集団や社会」に関わる道徳的な意識と密接な関連を持つことを指摘した. また, これまでのいくつかの事例から, 児童の主体性を引き出すための工夫をこらした教育プログラムの検討が始められていることを述べた. この二点から, 学校教育プログラムの題材として公共的問題がふさわしいものとなる可能性を指摘した.