抄録
近年の既成市街地で施行される区画整理事業は移転物件が多いため, 事業期間の延伸と事業コストの増大が問題となっている. このため, CPMなどを用いてコスト最小となる施工計画を解析的に立案する手法の開発が必要となっているが, この際事業で行うすべての工事と移転の施工順位をあらかじめ決めておく必要がある.
本研究では専門技術者に対して施工の順序づけに関するアンケート調査を行い, この結果から施工順位を規則化した. そしてこれを仮想事業に適用した. その結果, 順序の不整合がなくアローダイヤグラムを出力できるとともに, 中断移転物件を明示的に特定できるなど, 施工計画立案への利用性が確認できた.