2003 年 20 巻 p. 581-588
モータリゼーションの進展にあわせて整備されてきた市街地の駐車場はもはや供給過剰な状態にあり, このことが民間駐車場の自律的な供給を阻害している要因になっている.従って, 今後の駐車場政策は既存の駐車場の有効活用や適正な配置に留意して進めるべきである.本研究では駐車場利用者が目的地まで徒歩でアクセスしていることに着目し, ナゴヤドーム周辺をフィールドにして, 街路環境の影響を考慮した駐車場選択モデルを構築する.構築されたモデルによって, 駐車料金や目的地までの歩行距離といった第一義的な要因に加えて, 駐車場選択に街路環境の諸特性がどう補完しているのかを検討し, 駐車場の有効活用や適正配置の指針を得る.