抄録
本研究では, 兵庫県川西市・猪名川町でMM実務の一環として2003年度にTFPを実施する際にいくつかの実験条件を設け, それによって得られたデータを相互比較する事を通じて, より効率的なTFPのあり方を検討することを目指した. データ分析の結果, 今回のTFPによって平均で自動車利用時間が2割5分削減, 公共交通利用頻度が4割強増加したことが示された. また, 行動変容の意図を持ち, 現在公共交通を利用する6割程度の人々に対しては, 簡便なTFPでも十分に効果が存在する事, 行動変容の意図を持つが公共交通を現在利用していない人々に対しても, 事後的なフィードバックを伴うTFPを実施することで行動変容効果が得られることが明らかにされた.