2006 年 23 巻 p. 155-162
本稿では、北九州市における住民参加をとり入れた生活幹線道路整備事業を紹介し、その中で事業が比較的スムーズに進行した地区の事例を取り上げ、ルート案決定までのプロセスを整理した。さらに事業効果に対する住民の評価や住民参加に対する意識を知るために住民アンケート調査を行った。調査の結果、事業着手の実現には、(1) 公園整備や地域の行事を積極的に行い、地域への愛着を養い住民参加への意欲を醸成するとともに多様な情報伝達手段を活用して一般住民へ情報を浸透させること、(2) 住民代表組織や行政担当者が慎重で粘り強く地権者と接し、買収可能な土地内でルート案を工夫し目標を達成する方法を模索することが重要であると考えられる。